キオス・マスティハは、ギリシャのキオス島で生産される、世界的に有名な天然樹脂マスティックです。
キオスの象徴であるマスティックガムは、希少でありながら広く知られ、地域経済を支えてきました。また、この島は、世界で唯一、この天然樹脂の生産を認められた産地となっています。マスティックガムの生産、採取、加工、販売は、キオス生産者協同組合のみが行っています。
マスティックの木(学名:Pistacia lentiscus)は常緑樹で、イベリア半島からフランスにかけて分布し、トルコからイスラエルまで地中海沿岸一帯で栽培されています。しかし、キオスではキオス固有の品種(Pistacia lentiscus var Chia)が栽培されており、この木から樹液が滴り落ちて固まった天然樹脂、マスティックガムが採取されます。
樹液が滴り落ちるマスティックの木は、キオス島南部でのみ育ちます。木が育つ村は、リティ、ヴェッサ、エラタ、メスタ、オリンピオイ、ピルギ、アルモリア、カラモティ、パトリカ、フラツィア、ネニタ、ヴノ、コイニ、パギダ、カタラクティス、エクソ・ディディマ、メサ・ディディマ、メルミギ、ソロポタミ、カリマシア、ネオホリ、ティミアナ、ヴァヴィロイ、アギオス・ゲオルギオス・シクシスです。
マスティックガムの採取方法
マスティックガムの採取は簡単ではありません。伝統的で、かなり手間のかかる方法で行われます。生産者は木の周囲の地面をならし、木の特定の部分に切れ目を入れます。樹液が約 15 日間流れ出すと、固まり、採取できる状態になります。採取は8月15日に始まり、9月中旬までに完了します。その後、産物をふるいにかけて洗い、一粒ずつきれいにしてから販売します。
暮らしに根付くマスティックガム
キオス島観光に欠かせない要素であり、貴重な体験でもあるマスティックガムの採取工程は、地域で活動する協同組合や事業者によって、訪問者に紹介されています。
用途
キオス・マスティックガムにはさまざまな用途があり、継続的な生産につながっています。主な用途は、チューインガムや菓子類の製造、そして樹液を使った酒の生産です。また、マスティックオイルは楽器の製作にも使われています。
さらに、含有成分の性質から、医療や製薬業界でも利用されています。この希少な産物の治療効果は古くから知られており、古代の著述家たちの作品に記された数多くの記述からも確認できます。マスティックガムの主な用途は次のとおりです。
- 医療:高血圧、糖尿病、コレステロール、慢性気管支炎、胃痛の治療、外科用縫合糸の製造
- 製薬業界:ビタミン剤、血液凝固剤の製造
- 歯科:歯の詰め物や隙間を埋める材料、歯を保護する歯型の製作、歯茎の強化、口内の衛生的な洗浄
- 化粧品の製造:シャンプー、石けん、マニキュア、シャワー用ソープ、脱毛クリーム
- エッセンスの製造:香料、フェイスクリーム
- スペイン蝋(封蝋)や香りのよいお香の製造
- 飲料の製造:マスティックガムの酒、ウーゾ、コニャック、その他のギリシャの飲み物
- 壁画や絵画:油絵の具
- 布地や綿製品の製造における色の安定剤
- 高品質なニスや塗料の製造:飛行機用、オルガンなどの楽器用、家具用などのニス
- 菓子やデザートの風味向上:ターキッシュ・デライト、チューインガム、キャンディー、デザート、トローチ、菓子パン、アイスクリーム、パン、甘味料

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